ノロウイルス感染者が排出するノロウイルス量は糞便の場合約1億個/gと言われています。
非常に感染力が高く、少量(10100)で感染してしまいます。
さらにトイレ内には手が触れやすい個所が多く、手が汚染される可能性も高くなります。
そういった特性から、トイレから感染が広がって大規模な感染症・食中毒につながることがあります。

今回はトイレの衛生管理について、わかりやすくまとめています。
ぜひご一読いただき、日頃の感染症・食中毒予防にお役立ていただければ幸いです。

清潔なトイレは感染リスクを下げます!

実はトイレにはウイルスや細菌の汚染リスクが多く潜んでいます。
何故なら感染症に罹患している人の排泄物には菌やウイルスが大量に排出されるからです。
ノロウイルスを例に見てみると、ノロウイルス感染者が排出するノロウイルス量は糞便の場合約1億個/g!
特に乳幼児では100億個以上といわれています。
ノロウイルスに感染していながら症状が出ていない人(不顕性感染者)でも10~100万個/g以上排泄されてる場合があります。
さらにトイレ内には無意識に手が触れやすい個所が多く、手が汚染される可能性も高くなります。
そういった特性から、トイレから感染が広がって大規模な感染症・食中毒に発展する事例は数多くあります。

ウイルスの構造を知り、対策をする

ウイルスの構造は、エンベロープ(脂質性の膜)のあるウイルスと無いウイルスに分けられます。
エンベロープのあるウイルスはアルコール消毒剤が効果的なのに対し、エンベロープのないウイルス(ノンエンベロープウイルス)は、アルコール消毒剤が一般的に効きにくい傾向にあります。
ノロウイルスはノンエンベロープウイルスに該当するため、対策には次亜塩素酸ナトリウムまたはノンエンベロープウイルスに有効な酸性アルコール消毒剤を使用しなければなりません。

清掃のポイント

ポイント1! 人の手がよく触れる箇所の清掃を念入りに!

通常の汚れを除去する清掃に、特に人の手がよく触れる箇所を中心とした除菌作業を取り入れましょう。
除菌効果を発揮させるため、あらかじめ汚れや水分を除去してから除菌することが大切です。

ポイント2! 「汚染の少ない箇所」から清掃しましょう!

例えばトイレの清掃では便器だけでなくドアノブやペーパータオルホルダー、洗面所など全体を清掃することが重要です。清掃や除菌を行う際は、汚染が少ないと思われる箇所から順に行いましょう。

ポイント3! 清掃後の手指衛生の徹底

清掃作業終了後は、必ず2度手洗いを行い、うがいを行い、個人衛生の徹底を行いましょう。